綺麗な華には
――― サラリ
秋の気配を色濃く伝える虫の音が庭から響いている。
その響きに衣擦れの音を隠して、総司の腕に掛かっていた重さが失われた。
もう幾夜めになるだろう。
愛しさを伝え熱を交わした果てのまどろみから、ふいにセイが離れて行っては
明け方まで戻って来ない。
「セイ?」
温かな存在が褥に起き上がった時に、一度だけ声を掛けた事があった。
呼びかける声にピクリと肩をゆらした影は小さく顔を逸らし、
厠へ行くので寝ていてくださいと囁いた。
けれどその夜も総司の隣は冷たいままだった。
きっとあの人は理解していない。
腕の中に優しい温もりが無い事に、自分がどれほど落ち着かない思いをしているかなど。
だから今日こそ理由を問わなくてはならない。
例えそれがどれほど聞きたくない事であろうとも。
ぐっと唇を噛み締めた総司が、褥から出ようとしたセイの手首を掴んだ。
「・・・どこに行くんですか?」
寝ているとばかり思っていた夫の行動にセイが驚いて振り返った。
「あ、あの・・・厠へ・・・」
「違うでしょう」
低い声で言葉を遮った男が手首を握る力を強める。
「毎晩布団を抜け出しては明け方まで戻って来ない。私が気づいてないと
思っていたんですか?」
障子越しに差し込む月光に淡く浮かんだ男の瞳が鋭くセイを見据えている。
「・・・共に眠るのも嫌なほどに私を厭うようになりましたか?」
そういえば最近頻々と浮之助が訪れていると聞いていた。
まさかと思うがセイの心変わりを疑いそうになる。
「他に誰か恋う人でも?」
押さえた声音の中に隠しきれない痛みを感じたセイが大きく首を振った。
「では、なぜ?」
短く問いを発した男の瞳の中に、不安という影が揺れている事にセイは気づいた。
そんな顔をさせるつもりは無かったのに。
思えば真実の夫婦になるまでも、自分の想いに気づかずにいたこの男は
痛々しいほどの不安の中にいたのだ。
想いを確かめた今となっても、その不安の種は常に内包されていたのかもしれない。
「あの・・・気配が・・・」
「気配?」
鋭く問い返すその言葉が、セイの言い逃れを疑っている事を示していた。
そんな余裕の無さに本人は気づいていないのだろう。
「殺気のようなものは無いのです。ですが、じっとこちらを見ているような
誰かの気配を感じるのです。昼も夜も・・・」
どうやら自分を誤魔化す為の言い訳ではないようだと感じた総司が、
小さな手を離して布団の上に起き上がった。
「それは・・・私がいる時もですか?」
少なくとも自分はそのように様子を窺う気配は感じていない。
セイの気のせいではないかと首を傾げた。
「総司様が家にいる時は、ほとんど感じません。家の前をすっと通り過ぎる
程度のものです。ですが総司様がいない時、家の中を窺っているような、
こちらの動きを観察しているような気配を感じるのです」
考え込むように総司が腕を組んだ。
新選組の沖田の家だ、名を上げたい浪士が標的とする事も充分に有り得る。
それにセイの能力を疑うつもりは更々無い。
隊を離れたとはいえ、隊士として鍛えられた他者の気配を読み取る能力が
衰えていない事は知っている。
これだけセイが気にするという事は、何らかの確信があるのだろう。
けれど、それは自分の問いに対する答えとは微妙に違う。
「それで、どうして夜中に貴女が寝床を出ていたというのです?」
「警護に・・・」
部屋に満ちる闇に溶け消えそうな声でセイが呟いた。
「警護? まさか貴女、ずっと寝ないで襲撃に備えていたと言うんですか?」
無意識に大きくなった総司の声に首を竦めながらセイがコクリと頷いた。
そういえば普段より早く帰宅した今日、玄関脇の小部屋に
セイが愛用している脇差が立てかけてあった事を思い出す。
「では脇差があんな場所に置いてあったのも・・・」
それを見た総司が何事かあったのかと尋ねた時、セイは片付けるのを
忘れただけだと笑っていたのだ。
「はい。あの部屋にいれば外からの侵入者があった時、真っ先に気づけますから・・・」
周囲をぐるりと黒い板塀で囲まれたこの家の敷地に侵入するには、
道に面した格子戸から入るしかない。
裏木戸はセイと井上の苦心によってコツを知らない者が開ければ、
大きく音が響くように細工が施してあるからだ。
「・・・つまり毎晩あの部屋で、剣を抱いて控えていたという事ですか・・・」
――― はぁぁぁ・・・
総司が大きな溜息を吐いた。
そのままセイを腕に抱えて横になる。
「あのですね。私は害意のある者が近づけば眠っていても気がつきます。
私と貴女のふたりがいれば、相手がどれほどの者であれ不覚を取る事なんて
無いでしょう? むしろふたりが離れている事の方が危険じゃないですか。
それとも貴女はそんなに私を信じられないのですか?」
呆れよりも哀しさを色濃く宿す総司の言葉にセイが慌てて首を振った。
「そうではありませんっ! 私はただ隊務で疲れている総司様に家でくらい
ゆっくり休んで欲しかったんです! こんな話をすれば緊張感を持たずに
過ごせるはずが無いでしょう? それでは心が休まらないじゃないですか!
それに・・・」
「それに?」
ふい、と顔を逸らして言葉を飲み込んでしまったセイに圧し掛かるようにして、
総司が言葉の先を促した。
「だって・・・総司様が不穏な気配に気づいたとしても、優しい腕の中では
私の感覚は働かなくなってしまいそうで・・・。そんなのは嫌だったんです!
だから離れた場所で守っていたんですっ!」
明るい場所であれば首筋まで真っ赤に染まった可愛らしい姿が見られただろうにと
少し惜しい気がした総司だったが、自分に向けられた真摯な想いに浸るのは後にする。
今はもっと重要な事があるのだから。
ここまでセイが不安を感じるという事は、何者かがこの家の様子を
窺っている事は確かなのだろう。
そんな場所にセイを一人で置いておくわけにはいかないと総司が口を開く。
「明日、私は夜の巡察です。今日聞いて明日すぐに監察の方に調べて貰う事も
できませんから、明日貴女は私と共に屯所へ行って、向こうで泊まってくださいね」
「大丈夫ですよ!」
自分ひとりの身ならどうとでもできる。
こんな事で隊に迷惑をかける事など避けたいのだ。
けれど総司はセイの言葉を撥ね退けた。
「駄目です。貴女の事が気になって、私が隊務に集中できなかったら
どうするんですか?」
夜番はただでさえ危険なのだ。
僅かでも余計な事に気を散らしては思わぬ隙を作りかねない。
それを身に沁みて知っているセイは渋々頷いた。
室内から漏れ出る不穏な気配に一時静まっていた虫の音が、
再び秋の長夜を謳歌し始めた。
「沖田先生っ! 幹部に召集がかかりましたっ!」
翌朝早く屯所から総司に呼び出しが来た。
迎えに来た隊士の話では大きな騒動ではないようだが、昨夜の巡察で
何やら騒ぎがあったらしい。
「ふぅ・・・朝から騒がしい事ですね」
セイの手を借りて慌しく身支度を整えながら総司が溜息を吐いた。
「すぐに出ますけど、貴女の支度は?」
「無理に決まってるじゃないですか・・・」
共に連れて出ようとする総司にセイが非難の眼を向けた。
「監察の捜査次第では一晩以上家を離れる事になるんですよ?
だったら片付けておくべき事や準備も色々とあるんです。
総司様のように、ほいほい出かける事など出来ません!」
「ほいほいって・・・」
つんと顔を背けた愛妻から受け取った大刀を腰に差しながら苦笑を浮かべる。
確かに自分とは違って妻たる女子としては、簡単に家を空ける事など
出来ないのだろうが、その言いようには一言ぐらい反論したくなる。
「ひどいですね。命掛けの勤めに出るのを“ほいほい”なんて。
貴女にとって私の仕事なんて、そんなものなんですねぇ」
殊更寂しげに聞こえるように語尾を弱くすれば、はっとセイが表情を変えた。
「も、申し訳ありませんっ! そんなつもりで言った訳ではっ」
「いいんですよ。だからこそ信用してもらえず、妻に寝ずの番なんて
させてしまうんですしね」
「そんな。違いますっ!」
瞳いっぱいに涙を溜めて見上げてくる白い頬を、大きな掌が優しく包んだ。
「嘘ですよ」
「え?」
毀れそうな雫を湛えた瞳をセイが瞬いた。
「あんまり貴女が私を頼ってくれないから、少し意地悪を言ってみたくなっただけです」
頬を撫でる掌は硬い。
けれどそこから伝わる優しさに緩みそうになる口元を引き締め、
セイが頬を膨らませた。
「ひどいですっ! 総司様っ!」
「あははっ、ごめんなさい」
膨らんだ頬をちょいと突つき、セイから視線を外した男の顔はすでに
剣鬼の空気を纏っていた。
「さすがに日中は何事も無いでしょうから、ひとまず私は先に出かけます。
昼には誰かを迎えに寄越すので、それまでには出かける準備をして
待っていてください」
こくりと頷くセイの様子をチラリと眼の端に映した男が唇を吊り上げる。
「万が一、何かあっても無茶はしないでくださいね。もう貴女は隊士じゃないんですから
・・・と言っても無駄なんでしょうけれど」
くすくすと笑みを零しながら玄関へ向かう男の背中に、セイが思い切り舌を突き出した。
心配してくれるのはわかるが、自分が大人しくしていられる人間じゃない事を誰より
知ってるはずなのに、そうやって事ある毎にからかわれるのは腹立たしいのだ。
「さっさと行ってくださいっ! 私だって忙しいんですっ!」
妻の怒声に軽やかな笑声を返して総司が屯所へと向かって行った。
昼も近くなった頃玄関に人の気配を感じたセイが、総司が寄越した迎えかと
荷物を持って出た。
「すみません、お手間をおかけして・・・?」
そこに立っていた見知らぬ町人の姿に、続く言葉を止めて首を傾げる。
「あの? どちら様でしょう」
じっと自分を見つめてくる視線に嫌なものを感じたセイが半歩足を引くのと同時に、
男が飛び掛ってきた。
華奢なセイの身はそのまま床に押し倒され、荷物と一緒に持っていた脇差は
弾みで跳ね飛ばされている。
「おセイはん、おセイはん・・・」
うわ言のように自分の名を口にしながら、首筋に唇を這わせる男に見覚えは無い。
男の体が圧し掛かっているせいで、胸元に忍ばせている懐剣は使えない。
着物の上から体を這い回る男の手に怖気を感じながら、セイは必死に
手を伸ばして弾かれた脇差を探った。
――― こつっ
指先に硬い感触を感じたと同時にそれを引き寄せ鞘を払う。
セイが男の喉元にそれを突きつけようとした瞬間。
――― ごんっ!
「何をしてるんだかねぇ、この阿呆は・・・」
見上げた先には皮肉な笑みを口元に浮かべた男が立っている。
片足で男の頭を踏みつけ、ぐりぐりとにじるように力を込めているらしい。
額を床に擦りつけられた男がくぐもった悲鳴を上げた。
「ちょ、ちょっと浮之助さんっ! 危ないじゃないですか!」
何の前触れも無い浮之助の行動にセイが非難の声を上げたのも理由がある。
セイが一瞬早く刃を突きつけていたら、男の首は綺麗に飛んでいただろう。
いくら修羅場を知っているセイといえども、そんな経験は遠慮したい。
「おや、助けてやったってのに、いきなり文句かい?」
よっ、と小さく声をかけて男の腹を蹴り飛ばし、セイの上から退かせながら
浮之助が不満げに視線を投げてくる。
慌てて起き上がったセイが、小さく頭を下げた。
「い、いえ。ありがとうございます。助かりました」
そんなセイの言葉をふふん、と鼻で笑い飛ばした浮之助が男に向き直った。
「しかし、新選組の沖田の妻女に手を出そうなんざ、良い度胸というか
救いようの無い阿呆というか・・・」
「お、沖田っ?」
冷たく響く言葉を聞いて壁際に蹲ったままの男が目を剥いた。
「あのヘラヘラした男が沖田やて? んな阿呆な事がっ」
――― ごんっ!
男の頭に鞘ごと脇差が振り下ろされた。
「つっっっっっ!」
「人の亭主を“ヘラヘラ”とか言うなっ! この変態野郎っ!」
殴られた頭を抑えて男がセイを見つめている。
その面には信じられないものを見たという驚愕の色が濃い。
――― くっくっくっくっ・・・
抑えきれない浮之助の笑い声が漂う緊張感を破って響いた。
新選組の沖田の家とは知らず、町ででも見かけたセイに一方的に想いを募らせ、
散々様子を窺った挙句手篭めにしようと侵入したのだろう。
黙っていれば花も恥らう美人のセイだ。
己の中で勝手に美化し続けた女子がまさか脇差を振り回し、男もかくやという
啖呵を切るとは信じられないのも最もだ。
けれど浮之助にしてもそんな愚かしい男に同情するつもりは微塵も無かった。
「くくく・・・自分の女房に不埒な真似をしようとした男に向ける
沖田の顔が見たいもんだねぇ」
さぞや怒りに満ちた良いツラが拝めそうだ、と続いた言葉にセイが青い顔で首を振った。
総司がこんな状況を知ったなら、この男の首など一瞬で飛ぶ事だろう。
鎖骨の辺りに付けられた穢れた跡を見られたなら、どんな騒動になるものか。
できる事なら総司に知られず穏便に片付けたいとセイは願う。
けれどそんな思いは戸口から聞こえた声に吹き散らされる事となった。
「見たいなら、いくらでもどうぞ。浮之助さん」
その場の一切を凍りつかせる声に誰もが動きを止めた。
「そっ、そ、そそっ、総司様っ!」
浮之助の背後に、今もっとも見たくなかった男の姿を見つけたセイの声がうわずった。
「その男が貴女の安眠を妨害していた元凶という訳ですか?
そして最近浮之助さんが妙にこの家に来ていたのも、この男のせいですかね」
「ほう、良い勘をしてるじゃないか。先日ここに寄った時、中を伺っている男がいたんでね。
どうやら面白い事になりそうだと思ってさ」
総司が現れた驚きは一瞬だったようで、浮之助の頬にはまた人の悪い笑みが戻っている。
「私に教えてもくれず・・・セイに何かあったらどうするつもりだったんでしょうかねぇ」
――― スラリ
総司が腰から白刃を引き抜いた。
「ちょ、ちょっと総司様っ!」
「大丈夫ですよ。まさか浮之助さんには手出しはしません。でも・・・」
先ほど自分が“ヘラヘラ”と評した気配など微塵も無い総司の視線に貫かれ、
男の全身が瘧にかかったようにガタガタと震えだした。
まさしく鬼神といえるこの瞳に見据えられて平気でいられる人間は
どれだけいるだろう。
「貴女が全く無事だった訳でも無いようですしね・・・。沖田の妻に手出しをした
詫びの首代を出せるほど甲斐性があるようにも見えませんし、だったら
きちんと首で支払っていただくべきでしょう?」
セイの首筋につけられた痕を目ざとく確認していたらしい男の声は、
真冬の比叡おろしよりも冷たく鋭い。
「ひっ、ひぃっ!」
総司の声音に本気の色を感じた男が頭を抱えて床に突っ伏した。
「やめてくださいっ!」
セイが男の前に飛び出し、強い視線で総司を見上げた。
「・・・・・・そんな男を庇うんですか?」
「違いますっ!」
「では、なぜ?」
極限までの怒りを押さえ込むとこの男はこうなるのか、そんな考えを脳裏で弄びながら
浮之助は凍りついたように表情を変えない総司の顔を眺めている。
「こんな場所で斬ったら、後始末が大変じゃないですかっ!」
「・・・はぁ?」
「・・・ぶっ、ぶはっはっはっっっ!」
一拍の間を置いて、世にも間抜けな鬼神の声と浮之助の爆笑が重なった。
それを見ながらセイが頬を膨らませている。
「笑い事じゃないですよ。どこの誰とも知らない男の血を片付けるのは誰だと
思ってるんですか? 汚いったら。やるなら他所でお願いしますよっ!」
セイが自分の前に飛び出し己が身を庇ってくれたものだと思い込み、
安堵以上に感動に瞳を潤ませかけていた男の顔が異様に歪んだ。
けれどこの隙に逃げる事を思いついたらしく、腰が抜けて自由に動けぬ身で
奥へと這って行こうとする。
だがその襟首をセイががしりと掴み、ズイッと総司に向けて差し出した。
「さぁ、とっととこれを持ってってくださいね。目障りですから!」
浮之助の笑いは止まない。
腹を抱えて壁にすがるように、ようやく立っている始末だ。
「・・・わかりました・・・」
セイの手から男を受け取った総司が大きな溜息を落とした。
どこか自分の感覚とはずれているこの二人を見ていると、怒っているのも
馬鹿馬鹿しくなってくる。
「とにかくコレを屯所へ連れていってきますね。向こうで永倉さん達に
指の二.三本でも落としてもらえば心を入れ替えもするでしょうし」
「ひぃぃぃ・・・・・・」
とうとう白目を剥いて気を失った男の両足首を纏めて持った所を見ると、
どうやらそのまま引きずっていくつもりらしい男が浮之助に視線を向けた。
「すぐに戻ってきますから、浮之助さんはお茶でも飲んで待っていてください。
色々とお話もありますし・・・」
どことなく恨めしげな視線の理由はセイの危険を黙っていたせいだろう。
それを承知の男が軽口を叩く。
「おお。清三郎の穢れは俺が清めといてやるからサ。心配無用だよ」
「それは私の役目ですっ!」
浮之助にからかわれていると承知していても、セイに関する事であれば
反論せずにいられない総司がむきになる。
運び出そうとしていた男から手を離し、すぐにもセイを抱え込もうとした総司の鼻先に
輝く刃の切っ先が突きつけられた。
「・・・・・・さくさく捨ててきてくださいね。そのゴミを!」
満面の笑みの中、鋭さを湛えた瞳が真っ直ぐ自分に向けられていて
総司がこくこくと頷いた。
家の仕事に屯所の仕事、甘えたがりの亭主の世話に加えて連日の寝ずの番で
セイの機嫌は最悪だと聞かずともわかっている。
これ以上怒らせたなら、火の粉は間違い無く自分に降りかかってくると
総司にしても熟知していた。
そのままズリズリゴンゴンという音を響かせながら、この家の主が飛び出していく。
後に残ったのはいつもと変わらぬ笑い上戸の馬鹿笑いと
見た目だけは最上級の女子の深い溜息だった。
軽やかな秋風が吹き抜ける中、大きな害虫を退治した沖田家は、今日も平和だ。